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政策における意思決定の裏側

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議員秘書時代の経験

議員秘書の種類

弊社副社長の松崎豊は、約20年間国会議員の政策担当秘書を勤めておりました。元法務大臣の保岡興治議員と、現在東京都知事をしている小池百合子議員などの事務所におりました。

議員秘書には、政策担当秘書・公設秘書・私設秘書の3つの種類があります。

  • 政策担当秘書:政策担当秘書になるには、国家試験に合格する必要があります。また、一人の議員につき政策担当秘書は1名設けることができます。
  • 公設秘書:一人の議員に対し2名まで設けられます。公設秘書になる際は、国家試験を受ける必要はありません。
  • 私設秘書:議員が自由に雇う秘書で、人数に制限はなく、国家試験を受ける必要もありません。

議員秘書の仕事

議員秘書の仕事をあまりご存知でない方も多いかもしれません。議員秘書の仕事は多岐に渡るので、一日のスケジュールもその日によって変わります。

例えば、朝の8時に議員の所属する党の会議に代理で出席します。その後、支援者との打ち合わせ、講演会への代理出席、資料作成などを行います。これ以外にも、議員の地元で政治活動に関する報告会の準備をしたり、議員の車の運転を行なったりもします。

また、議員の専門分野や立場が変わると、秘書の仕事も変わります。議員はだいたい一人あたり2つか3つ専門分野を持っています。役職が変わることで、専門分野が増える場合もあります。その場合、専門分野に合わせて新たに付き合う企業や団体が加わり、秘書の人脈も広がります。

そして、勤めている事務所の議員の立場が上がると、秘書の仕事は忙しくなります。ただし議員が大臣になった場合は別です。大臣は政権を担う一員なので、大臣職に関する仕事は官僚がサポートしてくれます。

松崎も議員秘書時代には様々な経験をしましたが、なかでも2001年頃に発生した金融危機の最中の仕事が印象に残っているそうです。当時金融担当大臣だった竹中平蔵さんと連携して銀行に公的資金を注入するサポートを行い、金融危機から日本を守ることに貢献しました。

法案の作成から成立、改正まで

法律を作成するために

松崎が議員秘書を目指したのは、政策立案を手伝いたいという思いからでした。実際に、保岡興治議員や小池百合子議員の元で秘書をしていた際には、司法制度改革関連法案、憲法改正試案、無電柱化推進法の立案に取り組みました。

議会に提出される法案は、ほとんど官僚が作成していますが、それ以外は議員が作成した法案です(議員立法)。割合としては法案の約1割ほどを占めます。

議員が法案を作る際、関係のある企業や団体、地元の方々や他の議員の意見を参考にします。また、秘書は国会図書館に問い合わせをして参考文献を集めるなどして、新しい法律を作成するプロセスに携わることができます。法案のドラフトは法制局にお手伝いいただき、議員と協力して作成します。

企業や団体からのリクエスト

企業や団体、ステークホルダーから、法案の修正をリクエストされる時もあります。法案は常に修正しながら作成するものですが、法案の基本となるものは変えません。法案が国会で議論されて、後に可決されても、可決の際に付帯決議をつけることで、さらなる修正を可能にすることもあります。例えば、法案を可決する際に「3年後に見直しをする」などの条件付きで可決します。そうすることで、3年後に必要な部分を修正することができます。

法律改正が必要になった際には、議員は関係者と毎週のように議論を重ねます。秘書は法案に関する調査、関係者との打ち合わせのサポートを行います。関係者には官僚や企業団体、専門家が含まれます。

議員が企業や団体からのリクエストにどれくらい応えられるかは、リクエストの内容やその企業や団体の力にもよります。リクエストの内容が簡単であれば、議員も受け入れやすいですし、企業や団体の力が大きい方が影響も与えやすいです。また、議員は日本企業だけでなく外資系企業の意見にも分け隔てなく耳を傾けます。

企業や団体が議員と対話したい場合には、議員事務所だけでなく、その議員が所属する党の会議で、企業ヒアリングという形をとることもあります。これは議員からの招待に基づき、企業が党の会議で意見を述べるものです。

企業の思いを社会づくりに反映させる

パブリックアフェアーズについて

議員へのリクエストと聞いて「陳情」を連想された方もいらっしゃるでしょう。日本ではこれまで企業や業界団体が陳情をしてきており、個別具体的な利益のために行われてきたため「陳情」=「悪いこと」のイメージがあります。

弊社のサービスは、「陳情」ではなく「パブリックアフェアーズ」のサポートです。民間企業・団体、国会議員、中央官庁、地方自治体、マスメディア、専門家などのステークホルダーともに、社会課題を解決することをパブリックアフェアーズと呼びます。欧米では一般的ですが、日本ではまだ新しい分野です。

株式会社LANGLEY ESQUIREでは、政府や業界関係者、メディアなどのステークホルダーとの関係づくりをサポートしております。自社に影響のある政策やステークホルダーを理解することは、事業環境を整えることにつながります。

まずはご連絡ください。貴社にふさわしいサービスをご紹介いたします。

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